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【週刊】Classic Music Salonへようこそ#16 ~西洋占星術とクラシック<ホルスト 組曲「惑星」>

みなさんこんにちは。三毛猫タマです

今回は、イギリスの作曲家ホルストが書いた組曲「惑星」についてお話ししたいと思います。
みなさんはホルストの惑星、ご存知でしょうか?
ええ、そうです、平原綾香さんの代表曲「ジュピター」の元の曲です。「ジュピター」は第5曲木星の中間部のメロディーに歌詞をつけたものです。

この曲が作曲されたのは1914~1916年にかけてです。ホルストは以前にもお話ししたとおり、エルガーと並ぶ、イギリスを代表する作曲家です。彼は多くの管弦楽曲や吹奏楽曲を残していますが、この組曲「惑星」は、ホルスト自身を凌ぐほど知名度の高い曲として知られます。

「惑星」といいますと、太陽の周りをまわっている8つの星・・・そう、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星のことをさします。しかし、組曲「惑星」には地球は含まれていません。それはなぜか?・・・答えは「ホルストは“西洋占星術”に基づいてこの作品を書いているからだ」です。ホルストはこの作品を書くにあたり、知り合いの占星術師から手ほどきを受け、さらに占星術とローマ神話の関係性を研究したといいます。

占星術。聴きなれない言葉のようですが、実は日本でも身近なところにこの思想はあります。そう、星占い。「てんびん座のあなたは・・・」のやつです。
西洋占星術の起源は、古くバビロニアまで遡ります。バビロニアでは、天の星々と神々を結びつけることが行われ、天の徴が地上の出来事の前兆を示すという考えも生まれました。その考えから、国の政治の決定などに占星術は大きくかかわっていきます。しかしながら、この時代には惑星にそれぞれ意味合いが与えられ(火星は軍神ネルガルに対応していたから凶兆とする、というような具合)たものの、現在の占星術とは程遠い物でした。
古代ギリシア時代を経て、ヘレニズム時代に入ると、別の体系で占星術が発達したエジプト(以前は、西洋占星術はエジプトが起源である、とした説もあったようですが、現在ではこれは否定されているようです)をアレキサンダー大王が征服したことで、ギリシア人にもエジプト占星術が伝わり、これがバビロニア占星術と組み合わさり、さらにホロスコープを本格的に用い、星図を用いた占星術がギリシア人によって構築されていきます。ギリシアにおいては、占星術は様々な分野に影響を及ぼし、特に「科学」とされた植物学、化学(錬金術)、動物学、鉱物学、解剖学、医学には強く影響を与えました(人体との照応関係をもとに発展した占星医学、その治療に用いる薬草類の研究を行った天体植物学など)。
ローマ時代にもこの占星術は脈々と受け継がれていきます。ローマ皇帝の中には占星術の結果を政治判断の材料にしたものもいます。しかし、ローマ帝国崩壊後、東ローマ帝国では固持されたものの、キリスト教の影響が強かった西ローマ帝国では、帝国崩壊後キリスト教の広がりとともに、迷信的とされた通俗占星術は命脈を保ったものの、当時「科学」の一端を担っていた占星術の理論体系は、ヨーロッパ社会からは失われました。
ローマで体系化された占星術はその多くがアラブ諸国に伝わっていきます。そしてイスラム世界の占星術者によって研究され、ダマスカスやバグダードにあった彼らの研究機関では、医学・天文学・占星術のギリシア語文献がアラビア語に翻訳され、これらを大きく発展させました。また、イスラムの高い技術も相まって天文学も飛躍的に発展します。
ルネサンス時代に占星術はヨーロッパに“逆輸入”されます。しかし、当時のヨーロッパではイスラム世界で発展した占星術をキリスト教世界で用いるのに批判的だった神学者も多くいました。とくに天動説を採るキリスト教に対し、占星術は地動説を用いたため、なかなか占星術は普及しませんでした。しかし、占星医学は高級占星術として積極的に受け入れられ、当時の大学でも盛んに講義が行われていました。
占星術の先進国は16世紀までフランスでした。しかし17世紀半ばからその地位はイギリスに移ります。一時期イギリスでは占星術を公認している時代もありました。これはイギリスが対立していたローマ・カトリック教会に対抗するためであり(カトリック教会はなんども占星術禁止令を発令していました)、決して占星術の正当性を認めたわけではありませんでした。しかし、他に占星術が認められていたところがなかったこともあり、占星術はイギリスで発展していきます。
ニュートンによって万有引力の法則が発見されることで、占星術は天文学と切り離されます(天文学にれっきとした科学である“力学”が関係していることが示されたので)。こうして、西洋占星術は“疑似科学”として今日に至っているのです。

ざっと占星術の歴史を述べましたが、ホルストが生きた20世紀にも、占星術はイギリスやアメリカを中心に、サブカルチャーとしてその地位を保っていました。また、この占星術の思想はルネサンス期に錬金術と結びついて、宇宙と自然の対応を説く自然哲学へと発展していきます。このような背景を踏まえたうえで、ヨーロッパの思想の基盤となった占星術をモチーフにした作品を彼は書いたのです。

各惑星に与えられた英名(ジュピターとか)はすべてローマの神話に登場する神の名前です(モーツァルトの交響曲第41番『ジュピター』の「ジュピター」は木星ではなく、ローマ神話に登場するユーピテル(英語読みでジュピター)をモチーフにした作品です)。それぞれの惑星に与えられた英名にも触れながら、それぞれの楽曲についてお話ししたいと思います。

第1曲 火星~戦争をもたらす者(Mars, the Bringer of War)
火星の英名Marsの語源となったローマの神様の名前は「マールス」です。マールスはローマ建国時にはいた比較的古い神で、戦いと農耕の神とされました(3月の神であるのも、気候がよくなり軍隊を動かす季節と一致するためと言われています)。
占星術において、火星が意味するものは、行動への衝動、個人的な活力、攻撃性、情熱、スポーツなどとされています。
弦楽器のコル・レーニョで始まり、あの「ダダダ・ダン・ダン・ダダ・ダン」というリズムが非常に印象的です。軍隊が出陣する様子を彷彿とさせるメロディーは、内なる大きなエネルギーを爆発させたように聞こえる、非常に攻撃的な、鋭い響きを持っています。大変印象に残りやすい曲です。

第2曲 金星~平和をもたらす者(Venus, the Bringer of Peace)
金星の英名Venusの語源となったローマの神の名は「ウェヌス」です。金星はその美しさから女神の名前が付けられることが多く、ギリシアではアフロディーテと呼ばれていました。ウェヌスは愛と美の女神とされていますが、もともとは菜園を司る神でした。しかしのちにギリシア神話のアフロディーテと同一視されるようになり、愛と美の女神となりました。この神には固有の神話はありません。
占星術において、金星が意味するものは、あらゆる種類の関係やパートナーシップ、ロマンティックな愛、美への欲求、調和、芸術、社会的生活などです。
前の火星とは対照的に非常に穏やかな曲です。冒頭のホルンのソロが、その平和の訪れを知らせ、さっと周りが穏やかな、平和な世界に包まれていくそのさまが目に浮かぶような、美しいメロディーが、様々な楽器によって奏でられていきます。
この曲全体で、私は人を温かく包み込む「光」が表現されていると思います。ほっとする、その瞬間に感じる「光」の温もり。そっと感じるその安心感のようなものが見事に表現された、オーケストレーションを駆使した非常に美しい曲だと思います。

第3曲 水星~翼のある使者(Mercury, the Winged Messenger)
水星の英名Mercuryの語源となったローマの神の名は「メルクリウス」です。この神様は商人や旅人の守護神とされました。また、ギリシア神話の神々の伝令使ヘルメースと同化し、雄弁家、盗賊、商人、職人の庇護者とされました。
占星術において、水星が意味するものは、心性、共同体、基礎教育、文筆業、隣人などです。
翼のある使者という副題はおそらく伝令使とされたヘルメースをモチーフにしたのでしょう。まさに妖精が様々な神様の伝令使として飛んでまわっているかのように、メロディーが様々な楽器に受け継がれていきます。全7曲の中で一番短い曲ですが、非常に高い技術を求められる楽曲です。そして、何かが起こるような予感をさせるような雰囲気を演出して曲は閉じられます。

第4曲 木星~快楽をもたらす者(Jupiter, the Bringer of Jollity)
木星の英名Jupiterの語源となったローマの神の名は「ユーピテル」です。この神はギリシア神話の主神ゼウスと同一視され、ローマ神話の主神でもあります。この神は本来は天空の神、転じて気象現象(特に雷)を司る神とされました。
占星術において、木星が意味するものは、個人的な成長、大志、自由への欲求、正義感と道徳性、宗教、哲学、高等教育などです。
開放感あふれる喜びに満ちたメロディーが非常に印象的な曲。壮大なスケール感を彷彿とさせるダイナミックなオーケストレーションはたいへん斬新であったと思います。3拍子が効果的に用いられ、印象に残りやすい曲です。そして中間部の有名なメロディー。突然ローテンポになり、大河のような雄大な流れを感じさせるこのメロディーはとても印象的なメロディーです。この曲の中で一番キャッチ―な曲と考えてよさそうです。

第5曲 土星~老いをもたらす者(Saturn, the Bringer of Old Age)
土星の英名Saturnの語源となったローマの神の名は「サートゥルヌス」です。この神はギリシア神話のクロノスと同一視され、農耕の神とされました。土星は地球から最も遠く、かつゆっくり回っていることから、年老いた神の名がつけられたといわれています。
占星術において、土星が意味するものは、個人的な制約、責任感、権威とヒエラルキー、難事への対処能力、自分と他人を律すること、信頼性などです。
Saturnは悪魔の名詞として知られますが、ではなぜそれが「老いをもたらす者」なの?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。この副題は「サートゥルヌス」が由来となっているのです。土星=悪魔と思っている方もいますが、これは間違いで、決して土星が悪魔なわけではありません(ただ、占星術において土星は凶星なので、あながち間違いではないのですが・・・)。
ホルスト自身はこの曲が一番のお気に入りだったといわれています。
時計の振子が揺れているようなメロディーが背景でずっと流れています。これが、まるでゆっくりと時間が流れているのを暗示しているかのように感じます。そして、ゆっくりと自分に近づいてきて、なにか大きな衝撃を中間部で与え、また静かに去っていく・・・。なにか時の流れを感じさせる曲です。

第6曲 天王星~魔術師(Uranus, the Magician)
天王星の英名Uranusの語源となった神の名はギリシア神話に登場する「ウーラノス」という天空神です。最初に全宇宙を統一した王とされています。
占星術において、天王星が意味するものは、反乱や型破り、旧体制の破壊、革新と創意、理想主義と発展的な思考などです。
天王星と海王星は比較的最近発見された惑星で、これらの星に付けられた名前は、古代からあるものではありません。また、天体の運行などを参考にその特徴から命名されたわけではないため、あまり神の名との関連性はありません。
占星術において意味するものを見てもわかる通り、あまりいい星ではないようで、曲にもその雰囲気が出ています。まるで、反乱軍が旗をもって宮殿へ行進をしているような曲です。非常に激しい曲だな、というのが私の第一印象でした。最後の、突然静かになる部分が印象的で、反乱が静まり、急に平穏な生活が戻されたかと思いきや、また激しいメロディーが再現されます。

第7曲 海王星~神秘主義者(Neptune, the Mystic)
海王星の英名Neptuneの語源となった神の名はローマの神「ネプトゥーヌス」です。彼は水の神であり、後にギリシア神話のポセイドンと同一視されました。
占星術において、海王星が意味するものは、神秘主義、卓越性、共感、慈善、心霊的、社会からの後退、芸術的閃きなどです。
この曲においては女声合唱が編成に加わります。この合唱は舞台裏で歌われます。
非常に未知的なものとして描かれています。非常に静かな曲で、あまり強弱もない平坦な曲です。神秘的で、何かよくわからない、けれど美しいもの。そんなものを想像させる曲です。そして、最後は静かに空間の中に消えていきます。楽譜には、最後の1小節に反復記号が記され、【この小節は音が静寂の中に消え入るまでリピートせよ】と書いてあります。

なかなか「惑星」を全曲生で聴く機会はないと思います。けれど、CDではたくさんの録音があります。是非、全曲聴いてみてください。ほんとに面白い曲です。

【参考までに】今回私が聞いたCD
ジェームズ・レヴァイン指揮/演奏:シカゴ交響楽団
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コメント

お初にお目にかかります

おはようございます。お疲れ様です。

今度、惑星を私のオーケストラ団体でも演奏致しますので大変参考にさせていただきました。
参考にさせていただいたところ申し訳ないですが、問題点があるように思われます。
ひとつにまず文章が長すぎて何を一番伝えたいのかが見えにくいです。もっと簡潔に述べていたいただけるとありがたいですね。
つぎに、このコラムにおいてのみですが、占星術について言いたいのか、ホルストについて言いたいのか訳がわかりません。もっときれいにまとめてほしいですね。
総じて、わかりにくいですのでもっと研究をした方がよいのではないかと思われました。もっとわかりやすい記事を書いていただけることを期待します。
2015-03-28 21:09 にせねこ #- URL [ 編集 ]

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